libido
だけど、私だって悪い。

知らなかったとは言え、そういう関係を持ってしまったのは私の責任。

途中で気づいたのに、それでも続けたのは完全に私の責任。

「ご祝儀、奮発するわよ」
「それって、君の時はその倍渡さないといけないの?」
「勿論よ」
「ならいらないよ」

笑う友人に私も笑う。

「まさか自分が不倫するなんて、人生何があるかわからないわね」

この隣の友人の結婚も然り。

私達のいるカウンター席の後ろで、誰かがむせている。

可哀想に。
痛いわよね、喉。
ワインなんてなおさら痛い。

「明日アサギに癒されに行ってくる。私に残ったのはアサギだけだわ」
「そうしな」
「けどまだ飲むわよ」
「はいはい」
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