libido
沢山のワインを友人に奢ってもらい、部屋に帰ったのは日付が跨いだ後。

「飲み過ぎた」

玄関で何かに躓いて、よろよろと暗い廊下を歩き、キッチン台から水のペットボトルを手探りで取ったところでいきなり背後から抱きしめられた。

「キャー!っ、んー!んー!!」

叫んだ瞬間口を塞がれたと思ったら、名を呼ばれ一気に頭が真っ白になった。

な、何してるのよこんなところで!
こんな時間に!
どうやって入ったのよ!

叫びたいのに叫べない。

ゆっくり手を口から離した彼は私の身体を振り返えさせると、真っ暗闇の中なのに、迷いなく私の唇にキスを落とした。

・・・頭がついていかない。
< 31 / 38 >

この作品をシェア

pagetop