放課後、ずっと君のそばで。
ここに来たら集中出来ると思ったのに、全然ダメだ。
むしろ周りの音が気になって、何も頭に入らない。
私はシャーペンを止め、問題集の一点を見つめた。
こんなんじゃダメなのに。
部活がダメだったら、勉強だけでも良く出来ないといけないのに。
どうして集中できないの?
目を閉じて、眉間にシワを寄せる。
何ひとつうまく出来ない自分に、腹が立った。
「ねぇ、莉子」
愛美が静かに声を出す。
私は目を開けて、目の前の愛美をゆっくり見た。
「本当にこれでいいの?」
私は、え?と眉を上げる。
「ずっと言おうかどうか迷ってたんだけど、私、このままでいいとは思わない」
愛美の私を見る目が、とても心配そうだ。
「きっと、真田くんも同じこと思ってると思うよ? 莉子に音楽続けてほしいって」
また、鼓動が乱れた。
思い通りにいかない現実に、やるせなさが襲う。