放課後、ずっと君のそばで。
地面を蹴る衝撃で目頭が熱くなる。
泣くな。
泣くな泣くな泣くな泣くな。
泣いたって無意味だ。
時間は過ぎたんだ。
オーディションをリセットできるわけないのに......。
もう、終わったのに。
「......っ!?」
顔を伏せて走っていると、誰かにぶつかってしまい、ふらつきながら振り返った。
「......莉子?」
コウちゃんだ。
白のユニフォーム姿で、眉をひそめて私を見ている。
感情を必死で抑えてきたのに、ここでコウちゃんを見たら......な、涙が......。
「どうした......って、おい!! 莉子!!」
私はコウちゃんに背を向け、また走った。
走って走って走って。
膝丈のスカートが足にまとわりつく。
外すことのできない足の重りが、走る速度を落としていった。