放課後、ずっと君のそばで。


それからのことは、あまりよく覚えていない。


私は、病院の廊下の長椅子に座りボーッとする。


まだ体の奥が、小刻みに震えていた。


突然教われた恐怖で、疲労感が半端ない。


大きな病院の廊下には、多くの人が行き来していた。


「ほら、飲めよ」


私の目の前に、ペットボトルのスポーツ飲料が現れた。


椅子に座ったまま、顔を上げる。


「コウちゃん。ありがとう」


私は小さく微笑み、コウちゃんからスポーツ飲料を受け取った。


汗ばんだ手のひらが、ひんやりと涼しくなる。


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