放課後、ずっと君のそばで。


学校に着いて駐輪場に向かうと、やっぱりコウちゃんの自転車がおさまっていた。


日曜日なので止まっていた自転車はコウちゃんののみ。


他のサッカー部員も、まだ来ていないみたいだ。


私は、音楽室に向かう前にグラウンドに向かった。


だけど、グラウンドには誰もいない。


サッカーの部室にも行ってみたけど、鍵が掛かっている。


おかしいな。

自転車もあったし、いるはずなのに......。


頭を捻りながら靴箱に向かうと、その途中の校舎の壁で、コウちゃんがボールを蹴っていた。


驚いて立ち止まると、それに気づいたコウちゃんもビックリした様子で跳ね返ってきたボールを受け止めた。


「ビビった......何してんの?」


「何って、部活に来たんだよ」


私が眉を潜めて言うと、コウちゃんは短く「ああ」と言った。


「ボールの音が全然聞こえなかったからどこにいるのかと思ったよ」


「今蹴り始めたから」


そう言って、コウちゃんが肩をすくめる。


「ボール蹴るより、ストレッチ念入りにしないとだからな」



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