放課後、ずっと君のそばで。
立花くんへの謝罪は、言葉ではなく、部活に真剣に取り組むことだ。
敗者復活に向けて、部員達の足を引っ張らないように頑張る。
「白石、今日は基礎練だけしなよ」
「え? でも、いいのかな。ずっと休んでたのに、演奏に参加しなくて......」
私が言うと、立花くんが私に近づき、軽く私の頭を小突いた。
私は亀のように小さく首を引っ込めて、上目使いで立花くんを見る。
「唇、鈍ってるだろ? 基礎練からやり直して唇がほぐれたら、参加すればいいよ」
「......立花くん」
「顧問には俺から言っておくから」
立花くんが微笑む。
どうして私の周りには、こんなにも優しい人ばかりが集まっているんだろう。
コウちゃんといい、立花くんといい、支えてくれる人が側にいるって、とても幸せなことだ。
みんな、ありがとう。