放課後、ずっと君のそばで。


「私は......普門館」


遠慮がちに。だけどしっかりとした意思で言った。


「普門館の舞台で、演奏してみたい」


すると、立花くんは私にハイタッチするように手のひらを向けてきた。


戸惑っていると、立花くんは顎で手のひらを出し、無言でハイタッチをしろと目で言っている。


私は細かく頷きながらおずおずと手を合わせると、立花くんが天真爛漫に笑い、合わせた手をギュっと握った。 


「一緒!!」


立花くんが興奮して言う。


「俺と一緒だ。俺の夢も、普門館」


立花くんの言葉に、私はとても嬉しくなった。


もちろん、これは吹奏楽部全員の夢かもしれない。


だけど、立花くんと同じ夢で同じ場所を目指しているっていうことが、何故だか嬉しかった。


ライバルであり、仲間である立花くん。


絶対、普門館行こうね。


その為に私、敗者復活のオーディション全力で頑張るから。


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