放課後、ずっと君のそばで。
「どうも、ありがとうございました」
ドアの前で病室を振り返り頭を下げるおばさん。
そして、その隣には、松葉杖をつくコウちゃん。
その左足は、包帯で固く固定されていた。
「こ、コウちゃん......」
焦りと疲れで口の中の水分がとび、やっとの思いで出せた声。
コウちゃんの左足と、表情を失ったコウちゃんの顔を見て、絶望を感じた。
嘘だ......。
嘘だよね......。
「ねぇ......コウちゃん......嘘だ......」
フラつく足でコウちゃんに近づき声をかける。
だけど、コウちゃんは私が言い終わる前に、スッと、私の横を通り過ぎた。
振り返ると、使いなれていない松葉杖に悪戦苦闘しながら歩くコウちゃんの後ろ姿があり、悲しくて涙が浮かぶ。
コウちゃんの背中から、苛立ちも感じられた。