放課後、ずっと君のそばで。


「莉子ちゃん、わざわざ来てくれてありがとね。えっと......そちらの方は......」


おばさんが立花くんを見て、軽く頭を下げる。


「あ、俺、真田の友達の立花と言います。白石と同じ吹奏楽部で、真田が怪我したときに、たまたま俺も見ていたので......」


語尾になるごとに小声になっていった立花くん。


おばさんは小さくため息をついて、「そうだったの」と悲しげに言った。


「それで、その......真田の怪我の具合は......」


私が聞けずにいることを察した立花くんが、私の代わりにおばさんに聞いてくれる。


「靭帯を痛めてしまったみたいなの」


「え......それって、靭帯損傷、ってやつですか」


立花くんが聞くと、おばさんは静かに頷いた。


立花くんが頭を抱える。


靭帯......損、傷......?


それって、どんな怪我?


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