放課後、ずっと君のそばで。


周りの視線が集まったけど、そんなの気にしていられない。


「2カ月って、おばさん! コウちゃんの試合、来月ですよ!? 2カ月もかかったらコウちゃん、試合に出られないよ!!」


体の中から震えがきた。


怒りだってある。


なんでコウちゃんが!?


誰よりも念入りにストレッチをして、誰よりも熱心に練習をしていたのに。


なんでよりにもよってコウちゃんがこんな目にあわなくちゃいけないの?


最後の大会なのに......。


小学生の頃から描いてきた夢を、叶えなきゃいけないのに。


なんで今なの?

もっと早い時期なら、まだ間に合ったのに......。


どうして、このタイミングで......。


ポロポロと頬を転がる涙。


涙で歪んで見えるおばさんの顔も、悔しさを噛み殺していた。


嗚咽がこぼれる私の背中を、立花くんが撫でてくれる。


コウちゃん......。

コウちゃん......。


コウちゃんの夢、もう、叶わないの?


もう、終わりなの?



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