放課後、ずっと君のそばで。
「探したよ。教室行かないの?」
立花くんが、私のいる踊り場に降りてくる。
「あ...うん。少し考え事してて」
苦笑いして答えると、立花くんは私の隣に立ってさっきの私と同じようにグラウンドを見下ろした。
「あれ? 真田いないね。珍しい」
そして、私が思ったことと同じことを言うと、立花くんはクルリと振り返り、踊り場の壁に背中をつけた。
「真田も、インターハイが最後の大会だもんなぁ」
立花くんが空を見上げながら言う。
「本当は冬の大会までなのに、ウチって進学校だからなぁ。3年の命って短いよなぁ」
部活が出来る時間を〝命〟と表現した立花くんが、言いながらおどけて笑った。