放課後、ずっと君のそばで。


私は、もしかしたらコウちゃんに追い付けるかもしれないと思い、走って学校に向かった。


梅雨明け間近。


夏がもうすぐそこまで来ている6月後半のマラソンは、蒸し暑くてとても走りにくい。


私は肩に提げていたスクールバックを背中に背負いなおし、息をのみながら全力疾走した。


だけど、やっぱり私の足では力不足。


コウちゃんの靴はもう靴箱に収まっている。


呼吸困難で、体は酸素不足。


肩で大きく息をし、唾をゴクリと飲み込んだ。


体は休憩したがっているけれど、休んでいる暇はない。


フラフラで言うことを聞かない体にムチを打って、私は教室までの階段をかけのぼった。


「コウちゃ......」


教室のドアを開けコウちゃんの名前を呼ぼうとして、途中で止めた。


教室の中に、すごい人だかりが出来ていたから。


サッカー部の部員達だ。


コウちゃんの席に群がり、怪我の具合を確認していた。


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