放課後、ずっと君のそばで。
ゆっくり教室に入ると、私に気づいた1、2年生がサササっと道をあけてくれる。
運動部の上下関係で鍛えられているのか、その動きはとても素早いものだった。
サッカー部の群れから、席に座るコウちゃんの姿が見えてくる。
疲れからの震えか、それとも不安からの震えか。
コウちゃんの顔を見て、急に足から力が抜け、私は教室の床に膝をついた。
一瞬教室がざわつき、そして、すぐにコウちゃんが席を立とうとした。
だけど、怪我した膝が痛むのか、そのまま椅子に座り込んでしまったコウちゃん。
「大丈夫かよ」
椅子に尻もちをついたコウちゃんが、倒れた私を鼻で笑った。
「それはこっちのセリフだよ......大丈夫じゃないくせに急に立ち上がろうとしないで」
動悸のせいで、小声になる。
力の抜けた私を、サッカー部員が立たせてくれる。
みんなにお礼を言ってからコウちゃんの机に向かうと、コウちゃんはため息をついて椅子の背もたれに体重をかけた。
「みんな、心配かけて悪い。もう教室戻れ」