放課後、ずっと君のそばで。
「明日からも俺、先に出るから」
「.........」
「おまえはおまえのタイミングで家出ろよ」
私は唇を噛みながら、コウちゃんを睨み付けるようにして振り返る。
「朝練もあるだろ?」
ダメだ。
涙を抑えられない。
ポロポロと、涙が頬を伝う。
コウちゃんが困ったように眉を寄せ、弱々しく笑った。
「泣くなって......俺、大丈夫だから」
コウちゃんの優しい声が、私の心に突き刺さる。
嘘つき。
大丈夫なんかじゃないくせに。
痛いくせに。
試合に出られなくてショックなくせに。
それなのに、私に気を使って笑うなんて......。
「大丈夫だから」
二度言ったコウちゃんの表情は、とても優しくて暖かかった。