放課後、ずっと君のそばで。


「ロッカーにある俺の荷物。やるなら今しかないって思って来てみたけど」


途中で言葉を区切り、コウちゃんは少しだけ笑った。


「よく考えてみたら、鍵かかってるんだった」


「.........」


『どうすっかなぁ』と、松葉杖を脇に挟んだまま、右手で頭をかいた。


片付けるって......コウちゃん。


「まさか......引退、しようとか思ってるんじゃないよね」


恐る恐る聞いてみる。


だけど、それは的中していたみたい。


「いいタイミングだろ」


そう、あっさりと言うコウちゃんに、心配と共に怒りが込み上げてきた。


「なんで?」


「なんでって?」


コウちゃんが眉をあげる。


「なんでそんな簡単に言うの?」


「は? 何がだよ」


私の質問の意味がわからないというように、鼻で笑う。



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