放課後、ずっと君のそばで。
コウちゃんの心の傷
コウちゃんは、誰も見ていない時、ロッカーの荷物を片付けたみたいだ。
顧問にも引退すると話したようだけれど、これは情報屋の愛美から聞いたこと。
サッカー部とも接触をしていないし、何より、コウちゃん自身が自らサッカーを遠ざけているから、私も何だかサッカー部を避けるようになった。
なんだろう......。
私がサッカー部員達と接しているのは、何だかいけないような気がして......。
何故かははっきりわからないけれど、なんでか体がそういう風に拒否しているんだ。
コウちゃんは部活に行かなくなった分、クラスの友達と時間を過ごすことが多くなった。
休み時間なんて急に人が換わったかのように、大きな声を出して笑うようになったし、そうなったコウちゃんは余計にモテるようにもなった。
違和感を感じているのは、私だけ。
周りのみんなは、コウちゃんの笑顔を見て、怪我のショックから立ち直ったんだと思っている。
そうじゃないのに......。
多分、心は毎日泣いているのに......。