放課後、ずっと君のそばで。
私は、気持ちの整理がつかなくて、オーディションが終わったあと、以前コウちゃんに教えてもらった海に向かった。
荒い波の音でも聞けば、何か答えが見つかりそうな気がして。
明日から7月。
以前来たときには少し肌寒さを感じたけれど、今日は強い潮風に吹かれるとちょうどいい涼しさだった。
やっぱり潮の匂いは、暑い季節がお似合いだ。
茜色に染まる海岸。
私は、砂浜に打ち上げられた流木を探した。
あの日、コウちゃんと一緒に腰かけた、いびつな流木。
ひとりで座って、日が沈むまでゆっくり海を眺めるつもりだった。
それなのに......。
そこにはもう先客がいて、私の鼓動は、ズキズキと痛みを伴いながら早鐘を打った。
こ、コウちゃん......。