放課後、ずっと君のそばで。
七夕祭り
7月に入り、ニュースで梅雨明けだと言っていた。
雨の季節が過ぎると、突然真夏が来たかのような強い日差しになり、クラスで授業を受けているクラスメイトは皆集中力を無くしていた。
下敷きを団扇代わりにして扇いでいたり、ボーッと窓の外を眺めていたり。
私は、席替えをして前の席になったコウちゃんの背中をずっと見ていた。
私は窓際の一番後ろ。
開けた窓からは生ぬるい風しか入ってこない。
仮にも受験生だというのに、全く授業を聞く気にならなかった。
コウちゃんは何を思っているんだろう。
あの海岸以来、私達は一切口をきいていない。
席はこんなに近いのに、心はとても遠く感じる。
時々プリントが回ってきた時だけコウちゃんが後ろを振り向くけど、それはただ『プリントを後ろに回す』という動作をしただけ......。
コウちゃんは、私を無視している......。