放課後、ずっと君のそばで。
コウちゃんは祭りには行かないとわかっているのに、愛美に提案されてからどうしても七夕祭りのことが頭から離れない。
もう一度、コウちゃんと話すいいタイミングになるんじゃないか。
そう、思った。
だけど、どうやって誘う?
「......先輩」
普通に誘ったって、去年みたいに断られるに決まってる。
ましてや、今は足を怪我してるんだ。
「......石先輩」
自由のきかない体では、余計行きたがらないだろう。
どうしたら......。
「白石先輩!」
ハッとして周りを見ると、トランペット仲間が私を心配そうに見ていた。
ああ、そうだ。
今は部活中。
空き教室で、パート練の最中だったのに......。
完全に集中力を無くしてた......。