放課後、ずっと君のそばで。


「白石ー!!」


部活終了後、楽器を早々と片付け靴箱に向かっていると、後ろから私を追いかけてくる立花くんの声に振り返った。


「立花くん! どうしたの? そんなに走って」


私が言うと、息を切らした立花くんが膝に手をついた。


「い、いや......だって、白石、めちゃくちゃ帰るの早いんだもん。焦ったわ」


息切れで、話も途切れ途切れ。


「よかった......追い付いて」


私が首を傾げると、立花くんは肩に提げていた鞄から何かを取り出した。


それは、昼食時間に愛美から差し出されたもの。


「これ」


立花くんが七夕祭りのチラシを指差した。


「白石も知ってるだろ? 神社の七夕祭り」


「うん......」


「どうしようか迷ったんだけどさ、さっき、落ち込んでる白石見たら、やっぱり誘ってみようと思って」


立花くん......。


「敗者復活終わってからずっと部活詰めだったし、その、真田の事とかで今は頭いっぱいなんじゃないかなってさ」


「.........」


「どうかな? 賑やかな祭りにでも行けば、少しは息抜きになるんじゃない?」



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