放課後、ずっと君のそばで。
立花くんから受け取った七夕祭りの用紙をギュッと握り、私は踵を返した。
「ありがとう~立花くん!」
「ちょっ、おい! 白石!!」
私は早くコウちゃんにこのチラシを見せたくて、学校を走り出た。
走る衝撃で肩からズレ落ちる鞄を背中に背負いなおし、七夕祭りのチラシを両手で広げてみる。
よし!
今年こそはきちんと誘って、コウちゃんに元気になってもらおう。
そこで短冊に願い事を込めるんだ。
コウちゃんが試合に出られますようにって。
コウちゃん、行こうよ!
そして、一緒に願い事を書こう!
私はチラシをバトンのように右手に握りしめ、コウちゃんの家まで全力疾走した。