放課後、ずっと君のそばで。


躊躇うな。

躊躇ったら、ここで終わりじゃん。


コウちゃんが塞ぎこんで部屋から出てこないんだったら、何かきっかけを作ってあげなきゃ。


それを私が出来るかわからないけど、やるだけやってみよう。


その為に、ここまで走ってきたんだから。


「おばさん......あがってもいいですか?」


「え? もちろん、いいけど」


「実は、これにコウちゃんを誘いたくて来たんです」


そう言って、私はぐちゃぐちゃになったチラシを広げて見せる。


「七夕祭り......もうそんな時期なのね」


おばさんも、私と同じ反応だった。


「コウちゃん、怪我で試合に出られないし、足がまだ痛むのに不謹慎かなとも思ったんですけど......」


「.........」


「だけど、気分転換になって、少しでも前向きに考えるきっかけにならないかなって......」


話す体に力が入る。


おばさんはしばらくチラシを見てから、私に目を向けた。
とても切ない眼差し。



< 206 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop