放課後、ずっと君のそばで。
「コウちゃん、私」
「.........」
「最近、全然話さないね」
「.........」
「足......まだ、痛む?」
なにを言っても、中からの返事はない。
部屋にいることは確かなのに......。
心を閉じてしまった人には、何を言うのが一番いいのか。
ここに来て考え込むんだから、全く準備の出来ていなかった自分に呆れる。
これ以上ベラベラしゃべっても、逆効果になりかねない。
用件だけを伝えて、今日はもう帰ろう。
「コウちゃん。これ......」
『これ』と言っても、コウちゃんには見えないから何を言っているかわからないというのに......。
「これ......あの、七夕祭りのチラシ」
「.........」
「ドアの下に置いとくからさ、気が向いたら見てくれる?」
「.........」
「今年は、一緒に行こうよ。息抜きだと思ってさ」