放課後、ずっと君のそばで。
吹奏楽部の演奏が聞こえなくなった頃、私は音楽準備室に戻り楽器を片付けた。
空も茜色から青紫がかった色に変わり、校舎に残っている生徒は誰もいなかった。
靴を履き替えて外に出ても、運動部の姿もない。
こんなに遅くまで残るつもりはなかったんだけどな。
私は駐車場や駐輪場を通り、正門に向かう。
その時、駐輪場の方から自転車を取り出す音が聞こえ、私は立ち止まって音がする方を見た。
薄暗い中からボンヤリと現れたのは、コウちゃんだった。
「コウちゃん」
私が声をかけると、コウちゃんは少し驚いた表情で顔をあげた。