放課後、ずっと君のそばで。
「真田には、それだけの強さがあると思ってたんだ......それなのに......」
「.........」
「簡単に去っていきやがって......」
徳永くんは、とても悔しそうだ。
声がかすれてきて、涙ぐんでいる。
徳永くんは慌てて私から顔を背け、「ごめん」と短く言った。
鼻をすすり、私を振り返ることはない。
徳永くんの握る拳が小刻みに震えている。
悔しさとやるせなさを残し、徳永くんは、荒々しい足取りで遠ざかって行った。
徳永くんの気持ちがストレートに伝わり、ポロポロと涙が溢れる。
私は、廊下の窓から外を見ながら、悔し涙を流した。
窓から見えるグラウンドには、必ず一番最初にコウちゃんの姿があった。
部員達が来るまで念入りにストレッチをして、体を暖めていた。
部員が揃うと、手際よく指示を出して......。
それなのに......。
この感情の置き場がなくて、私はただただ涙をこぼした。