放課後、ずっと君のそばで。


「ビビった......。おまえ、まだ帰ってなかったのかよ」


「あ、うん。ちょっと、自主練してた」


「ふーん」


素っ気ない言い方で、自転車を押しながら私の隣に来る。


「早く入れろよ、カバン」


そう言って、自転車の前のカゴを顎で差した。


私は肩に提げていたスクールバックをいつものように、カゴに入れる。


コウちゃんが肩に斜めがけにしているサッカー部のエナメルバックの方が重たいのに、いつも私のカバンを入れてくれるんだ。


朝も帰りも、高校に入って自転車通学になってから毎日こう。


無愛想で無表情だけど、コウちゃんはとても優しい。





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