放課後、ずっと君のそばで。
愛美達とは、神社へ上る階段前で待ち合わせをした。
私が到着する頃には、もう既にふたりが待っていた。
浴衣のせいで狭くなる歩幅に悪戦苦闘している私を見つけた愛美が、私に向かって大きく手を振る。
私もそれに答えて手を振り返し、足の回転を早めた。
「ごめん! 遅くなった」
カラカラカラ、カラン。と、下駄の音を鳴らしてふたりの前で立ち止まる。
「驚いた。まさか莉子が浴衣を着てくるなんて」
愛美が、浴衣姿の私をなめるように上から下まで見る。
「去年は私服だったのに」
愛美の言葉に私は苦笑して肩をすくめた。
「なんか、お母さんがどうしても着ていけって」
「悔しいくらいに似合ってるわ。ね、立花くん」
愛美が立花くんに言うと、しばらくボーッと私を見ていた立花くんがハッとして目を泳がせた。
「う、うん。に、似合ってる!」
立花くんの反応に、私はまた苦笑い。