放課後、ずっと君のそばで。


「そんな気をつかわなくていいよ。たいして似合ってないことくらい自分が一番わかってるから」


「い、いやいやいやいや! そんな意味で言ったんじゃないよ! 本当に似合ってるからビックリして......」


焦る立花くんの言葉が苦し紛れに言っているように聞こえて、私の苦笑いはどんどん深くなっていく。


ふたりはラフな私服で、尚更浴衣で来たことに後悔した。


お母さんは、年に何回かしか着ないんだから~とか何とか言っていたけど......。


コウちゃんもいないし、何だかむなしい。


私達は階段をのぼって神社に向かう。


小さな町だけど、七夕祭りの時にはたくさんの人が集まるんだ。


多くの人に混じりながら階段を上っていくと、境内に続く砂利道の両端に屋台がたくさん出ていた。


金魚すくいに、わたあめ。


それにたこ焼きや焼き鳥などもある。


いい匂いに誘われるように屋台に寄っていくと、すぐに愛美に止められた。



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