放課後、ずっと君のそばで。


「ストップストップ」


「え~なんでぇ」


私は小さな子供みたいに頬を膨らませる。


「この祭りの目的は屋台じゃないでしょ?」


腰に手を当てて怒る愛美は、まるで母親のようだ。


「まずは、願い事を短冊に書かなきゃ! 人が多くなる前にやらないと、短冊吊るす場所がなくなるんだから!」


私は、ブーとブーイング。


「去年で学んだでしょ? 屋台に夢中になってたら短冊の笹がいっはいになってて願い事諦めて帰ったでしょうが」


あぁ......。

そういえば、そんなことがあったっけ......。


今みたいに屋台の匂いにやられた私達は、手持ちのお小遣いを全て使いきる勢いで屋台巡りをしたんだっけ。


いっはい食べて、色々なゲームで遊んで。


お祭りの雰囲気に負けた私達は、七夕祭りのメインイベントを忘れた結果、短冊に願い事を書くことが出来ず、ただ家に帰ったんだったよね。


今年も同じことをしちゃダメか......。



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