放課後、ずっと君のそばで。


「愛美は? 愛美は何て書いたの?」


「私? 私はもちろんこれでしょ~」


そう言って私達に見せてきた短冊には......。


〝大学でイケメン彼氏が出来ますように〟


「えぇ!? 彼氏?」


私は大声で言って笑った。


「大学で、って、まだ私達高3だよ? しかも大学に受かるかもわからないのに」


愛美に悪いと思いながらもケラケラ笑ってしまう。


「そこはまず大学に受かりますようにじゃないの?」


しとしきり笑うと、愛美はプクっと頬を膨らませて私を睨んできた。


「だけど......」


笑いすぎて痛くなったお腹を押さえ、涙目をこする。


「進路がはっきり決まってる愛美って、すごいと思うよ」


私なんて、まだ全然だし......。


もう夏休み前。


進路を確定させなきゃいけない時期なのに......。


私は本心で愛美を誉めたのに、笑ったあとすぐに言ったことだったので、愛美は嘘っぽいと更に口を尖らせた。


その時だった。




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