放課後、ずっと君のそばで。


たどり着いたのは、神社の敷地内の人目にあまりつかない場所だった。


きれる息を整えながら人だかりの中心を見ると......。


更に呼吸が乱れ、息の吸い方がわからなくなった。


コウ......ちゃん?

なんで、コウちゃんがここに?


背伸びをして覗き込んだ先には、ハーフパンツにTシャツ姿のコウちゃんがいた。


松葉づえを脇に挟んで立っている。


その前には、徳永くん。


祭りの楽しい雰囲気はここにはないことくらい、バカな私にもわかった。


今にも殴り合いが始まる。そんな、緊迫した空気だ。


「みんな、ちょっとごめん。真田とふたりにしてくれないかな。大事にしたくないんだよね」


徳永くんの低い声に、ギュっと出来ていた人の輪が緩くほどけていく。


すると、先ほどよりもはっきりと中が見えるようになり、コウちゃんが私達に気づいた。


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