放課後、ずっと君のそばで。


「いい加減にしろよ真田!」


徳永くんの大声が、私の耳を貫いた。


「いつまでウジウジしてるつもりだ!」


「.........」


「そんな足だからサッカーは出来ない!?」


「.........」


「顧問から、全治2か月だってことも聞いたよ!予選には出られないってな!」


徳永くんがコウちゃんに詰め寄った。


また殴られると思い、私が慌ててコウちゃんに駆け寄ろうとすると、すぐに愛美に腕を捕まれ止められてしまった。


愛美は、私に向かい首を横に振っている。


だけど、行かなきゃ!

また殴られちゃうよ!


愛美の手を振りほどいてコウちゃんの元に走ろうとした。


だけど......とどまった。


コウちゃんの瞳が、微かに潤んでいるように見えたから。


悔しそうに眉を潜めながら、唇を噛み締めている。



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