放課後、ずっと君のそばで。
「莉子!」
コウちゃんの声にハッとして振り向くと、5メートル程後ろでコウちゃんが立ち止まっていた。
良く見ると、もうコウちゃんの家の前まで来ている。
いつの間に......?
私は小走りで、コウちゃんのところまで戻った。
「ごめんごめん。ぼーっとしてたら気づかなかった」
「.........」
「な、なに?」
ジーっとコウちゃんに見られ、私は苦笑いを向ける。
「別に?」
コウちゃんは、自転車を門の中に入れた。
コウちゃんの家からは、カレーのいい匂いが漏れている。
コウちゃんの大好物だ。
「なに? 食いたいの? カレー」