放課後、ずっと君のそばで。
とは言っても......。
やっぱり、コウちゃんのこととなると気になってしまうもので......。
荷物を片付け練習に入っても、目だけは窓の外に向いてしまう。
吹奏楽部の使う部屋からグラウンドは全く見えないけれど、部員のサポートにまわっているコウちゃんは、窓の前にある水道によく現れた。
マネージャーのように、部員達の飲み物を作っているんだと思う。
演奏中、トランペットは構えたまま横目でコウちゃんを見ると、視線を感じたコウちゃんがこちらを向き、目を細くする。
そして、『演奏に集中しろ』と、目だけで言い、重そうなキーパーを持って水道を離れた。
外は暑そうだ。
もちろん部屋の中も蜃気楼が見えそうなほど暑いけど、日陰のないグラウンドは地獄だと思う。
私達吹奏楽部より難しい曲を奏でるセミが、休憩もなしに鳴き続ける。
セミだって暑いだろうに。
私達は室内。夢の普門館を目指して頑張ろう。