放課後、ずっと君のそばで。


な、なに? なんなの?

顔、近いよ!


どうしてずっと顔近づけたままなの!?


どうしていいかわかんな......。


瞬きを繰り返し困っていると、窓の外で『ガタンっ!』と大きな音が聞こえ、ハッとして振り返った。


コウちゃんだ。

またドリンクを作りにきたみたい。


よかった......。


ナイスタイミング、コウちゃん!


「なに?」


助けてほしい眼差しでコウちゃんを見ていると、コウちゃんが少し不機嫌そうに私を見上げた。


「べ、別に? なんでもない!」


何故か心臓がまたドキリと高鳴り、動悸がする。


さっきの立花くんの行動に、動揺してるんだ......。


コウちゃんが現れたことに救いを感じていたけど、結局気まずくなって唇を噛み締めた。


「真田。足の調子はどう?」


私の後ろから立花くんが話しかける。


だけどコウちゃんは立花くんを見ることなく、黙々とドリンクを作りながら『まぁまぁ』と短く答えた。


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