放課後、ずっと君のそばで。


「よかったな」


立花くんは小さく微笑み、飲み終わった紙コップを手で軽く潰し、私の手からも空になったコップを抜き取る。


そして、なにも言わずに持っていってくれた。


去っていく立花くんの背中を見ていると、また水道から物音が聞こえコウちゃんを振り返る。


コウちゃんが重そうにキーパーを抱えあげていた。


「あ! コウちゃん!」


私は、コウちゃんのもとに行こうと、部屋を走り出た。


まだ完治してないのに、あんなに重たいもの持ったらダメだよ。


今は休憩中だし、少し抜け出してもいいよね?


私は、慌てて靴をはき、バランス悪くキーパーを運ぶコウちゃんに駆け寄った。


「コウちゃん、貸して!」


コウちゃんの手から、キーパーを奪う。


だけど、それを軽くかわされてしまった。


< 258 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop