放課後、ずっと君のそばで。
「よかったな」
立花くんは小さく微笑み、飲み終わった紙コップを手で軽く潰し、私の手からも空になったコップを抜き取る。
そして、なにも言わずに持っていってくれた。
去っていく立花くんの背中を見ていると、また水道から物音が聞こえコウちゃんを振り返る。
コウちゃんが重そうにキーパーを抱えあげていた。
「あ! コウちゃん!」
私は、コウちゃんのもとに行こうと、部屋を走り出た。
まだ完治してないのに、あんなに重たいもの持ったらダメだよ。
今は休憩中だし、少し抜け出してもいいよね?
私は、慌てて靴をはき、バランス悪くキーパーを運ぶコウちゃんに駆け寄った。
「コウちゃん、貸して!」
コウちゃんの手から、キーパーを奪う。
だけど、それを軽くかわされてしまった。