放課後、ずっと君のそばで。
「おまえに運べるわけねぇだろ。結構重いんだぞ」
「だから代わろうとしたんじゃん! コウちゃんは今は持ったらダメなんだって! どうして他の部員はこんなことコウちゃんにさせるかな! 貸して!」
怒りながら言いキーパーの持ち手を取ろうとすると、また私の手は空を切っただけだった。
「いいから、おまえは練習に集中しろ」
目の前でコウちゃんが私を指差すから、私の目が中心に寄る。
ムカっとして、私は口の端を上げた。
「コウちゃんの力になろうと思ったのに、どうしていつもコウちゃん、は......」
ブツブツ文句を言っていると、私を指差していた人差し指が、ゆっくり私の唇に伸びてきた。
勢いよく出ていた言葉とともに唾を飲み込む。
え......。
な、なに?
コウちゃん、何をする、の?
「......っ!?」
コウちゃんの指が、私の唇に優しく触れ、一瞬にして全身に電流が走った。