放課後、ずっと君のそばで。


「はい、お疲れ様。いっぱい食べてね」


厨房の中からエプロン姿のおばちゃんに声をかけられ、私は笑顔で答えてハンバーグの乗ったお皿を受け取った。


美味しそう。


ふっくらとボリュームのあるハンバーグには食欲をそそるデミグラスソースがかかっていて、ニンジン、ジャガイモ、インゲンが盛り付けてある。


そして、サラダにライス、野菜スープの皿もおぼんにとり、一気にお盆が重たくなった。


私は板野さんと背伸びをしながら席を探した。


すると、立花くんが椅子から立ち上がり私達に向かって手を上げている。


「白石! 板野! こっちこっち」


私は板野さんと目を見合せ、立花くんのもとに向かった。


だけど、立花くんの前にコウちゃんの姿を見つけ、一瞬動きが止まる。


さっきの出来事が頭をよぎり、気まずくてコウちゃんを見れない。


席は、コウちゃんと立花くんの隣が空いていた。


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