放課後、ずっと君のそばで。


板野さんが先きに立花くんの隣に座ったので、私は仕方なくコウちゃんの隣へ。


まだコウちゃんの横でよかったかもしれない。


顔を見なくて済むから。


私はどこを見ていいのかわからなくて、視線を定めず腰掛けた。


咳払いをしたりして、その場をなんとか乗り切ろうとする。


「いいよな、女子は。夕飯の前に風呂入れて」


立花くんに言われて、自分の服装が適当だということを思い出した。


短パンに白のティシャツという、楽な格好。


みんな同じような格好なんだけど、なぜか自分だけ場違いのような気がしてならない。


「男子は後からだもんね」


男湯と女湯は別々にあるんだけど、念には念をと、男子と女子の入浴時間をずらしていた。


吹奏楽部は制服、サッカー部はユニフォームのままで食事をしている。


コウちゃんもそうだ。


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