放課後、ずっと君のそばで。


「コウちゃんはちゃんと課題やってる?」


私が聞くと、コウちゃんは目を細くして私を見てきた。


「見せてやらねぇからな」


「え~けちー。いいじゃん、ちょっとだけ見せてよ~」


「おまえ、いつもじゃん。たまには俺より先に終わらせろよ」


「コウちゃんより先に終わらせたら、それこそ雪が降ると思うけど?」


私が顎をつきだして偉そうに言うと、コウちゃんが呆れて鼻で笑った。


こういう時間が一番幸せ。


誰も知らない、私達だけの時間。


あとどれくらい、同じ時間を過ごせるだろう。


高校卒業までに、もしも、コウちゃんに彼女が出来たら、その時点でなくなる。


明日かもしれないし、今日誰かがコウちゃんに告白するかもしれない。


そう思うと、とても切なくて胸が締め付けられた。


「おまえさ......」


コウちゃんの小さな声に、私は膝を抱きながらコウちゃんを見る。


だけど、コウちゃんは何かを考えながら言いためらっていた。


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