放課後、ずっと君のそばで。
「お疲れ」
相変わらずクールなコウちゃん。
私も「おう」とだけ答え、何となくコウちゃんから目を反らす。
ステージ上で、コウちゃんが好きだと立花くんに言ったからか、妙に恥ずかしい。
「てか、さ。ふたりとも結果聞かないの?」
私が言うと、お母さんとコウちゃんは顔を見合せ笑い出す。
「聞かなくても分かるわよ。何年あんたの母親やってると思ってるのよ」
「え~なにそれ。でもコウちゃんは気になるでしょ?」
私がターゲットを変えて目をキラキラさせながら聞くと、コウちゃんはため息混じりに椅子から立ち上がった。
「聞かなくても分かるよ。何年おまえの幼なじみやってると思ってんだよ」
私は唇を尖らせて片方の口角を上げる。
せっかく、全国はダメだったけど、気持ちはスッキリしてるって伝えたかったのに。
どうせ、全国なんて最初から無理だったとか思ってるんでしょ。