放課後、ずっと君のそばで。


「じゃあ、そろそろ行こうかな」


「コウちゃん、帰るの?」


私が聞くと、コウちゃんは私に手招き。


「ちょっと付き合って。行きたいとこあるから」


「え? うん、いいけど」


キョトンとすると、お母さんは何故かコウちゃんを見て微笑んだ。


「おばさん、ちょっと行ってきます」


「行ってらっしゃい。康介くんなら大丈夫よ」


「だといいんすけど」


コウちゃんは頭をかきながら小さく笑い、また私に手招きした。


私はふたりの会話に首を傾け、とりあえずコウちゃんの背中を追う。


「お母さん、明日また来るからね。もう無理しないで早く寝てね」


私が言うと、お母さんは手を振りながら「早く行きなさい」と言った。


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