放課後、ずっと君のそばで。


コウちゃんにひたすら着いていくと、たどり着いたのは学校だった。


今日、何かあったっけ?


なんで学校なんかに......。


私の前をスタスタ歩いていくコウちゃんは、非常階段をのぼり、そして、私がいつも自主練に使っていた踊り場で立ち止まった。


「なに? コウちゃん、どうしたの? なんで非常階段?」


私が苦笑すると、コウちゃんは踊り場からグラウンドを見下ろした。


今日は誰もいなくて、とても静かだ。


あるのは、風の音だけ。


「ここからグラウンドって結構よく見えるんだな」


コウちゃんに言われ、心臓が跳ねる。


ここからよくコウちゃんを見ていたことがバレたらどうしよう......。


「おまえさ、ここでよくトランペット吹いてたよな」


「う、うん」


そ、それがなに?


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