放課後、ずっと君のそばで。


「莉子。もう一回、してもいい?」

 
コウちゃんのかすれる甘い声。


私は恥ずかしさのあまり上目使いになり、唇をかみながら頷いた。


ゆっくりゆっくり近づいてくるコウちゃんの唇。


柔らかくて、暖かい。


コウちゃんの緊張が、唇を通して伝わってくる。


好き。

本当に、大好き。


こういう日が来るなんて、夢にも思っていなかった。


幸せすぎて、いいのかな。


「莉子」


私は眉を上げる。


「2学期が始まったら、またここに来ようぜ」


「どうして?」


私が聞くと、コウちゃんは少し照れるように頭をかいた。


「放課後、部活行く前に、またここでキスしたい」


そう言って、また唇を合わせる。


幼なじみから恋人へ。


長年の想いがようやく交わり、人生の幸せを一度に全て手に入れたように思えた。


イケメンでクールなコウちゃん。

幼なじみだったコウちゃん。


今日からは、私の自慢の彼氏。




~放課後のキス~    END




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