放課後、ずっと君のそばで。
やっぱり、お腹いっぱいなんて嘘じゃん。
朝から部活をして汗いっぱいかいてたのに、お弁当だけでお腹いっぱいになるなんて、コウちゃんらしくないもん。
コウちゃんは勝手にサッカーに丸をして、勝手に簡単なことを言って、静かに去って行った。
すぐに教室を出ていったから、今から売店に行くに違いない。
今さら行ったって、残ってるパンあるのかな。
私はコウちゃんが心配になったけど、コウちゃんのくれたカレーコロッケを口に入れる。
真田家の、甘めのカレーの味がする。
辛いカレーの苦手なコウちゃんの為に、真田家はいつも甘口なんだ。
ゴロっとしたジャガイモもまだ残っていて、とても美味しい。
小さい頃、たくさん作っては、おばさんがウチにもおすそわけしてくれていた。
懐かしい真田家のカレーの味に、心がジワリと温かくなった。