放課後、ずっと君のそばで。
中々うまくコントロール出来ないボールに四苦八苦した愛美が、苦しい声を上げる。
地団駄を踏んで、まるで小さな子供のようだ。
真っ直ぐ飛ばないボールを、お互いあちらこちらに取りに行き、少しだけ蹴っただけなのに、もうヘトヘトだ。
きっと、他の人の3倍は動いているに違いない。
「真田くんがサッカーに丸なんかするから~」
泣きそうな声でボールを蹴る愛美。
私はボールの来る位置を先読みして、小走りする。
「でもまぁ、他の種目も私達には無理だもんね」
ボールを足で捉えた私が苦笑して言うと、愛美も「確かに」と笑った。
運動が出来ないことは自慢でも何でもないのに、あまりにも出来ない自分たちに笑いが出てくる。
クラスマッチまでは3週間程ある。
私達の課題は、ボールを真っ直ぐパスすることだ。
それさえ出来れば、クラスの足を引っ張ることはないと思う。