放課後、ずっと君のそばで。
制服のまま、私はサッカーボールを足でとめる。
目を閉じて、靴底に感じるボールの感覚に神経を集中させた。
膝丈のスカートが風に少しなびく。
その風が静かになった時、私は目を開けてコウちゃんに向かってボールを強く蹴る。
だけど......。
ボールは思っているところに行かなかった。
コウちゃんの位置まで届いてすらいない。
「莉子。おまえ、イメージしてないだろ」
ボールを取りに行ったコウちゃんが、ボールを器用に足でコントロールしながら言った。
「イメージは、したつもりなんだけどな」
小さく答えると、コウちゃんの小さなため息が聞こえてきた。
「どんなイメージしたんだよ」
「え、どんなって......。コウちゃんのいるところに蹴ろうって......」
「弱い」
話している途中で、コウちゃんは私の言葉をバッサリ遮った。