放課後、ずっと君のそばで。


「イメージが弱すぎる」


弱すぎるって......。


じゃあ、どんなことをイメージしたら......。


「俺のことを思え」


ドクンっ!!


サーっと、風が吹き抜けた。


コウちゃんの低い真剣な声が、私の神経を震えあがらせる。

俺のことを思えって......。


「俺を強く思うんだよ」


つ、強く?


強くって、私が、コウちゃんのことを、好きだって、こと?


え、もしかして、私が好きだってこと気づいてたの!?


私そんなに顔に出てた?


嘘!!

コウちゃんに気持ちバレてたなんて、恥ずかしくてもう一緒にいられな......。


「俺が今どこにいるのか、目を閉じて強くイメージしてみろ」


「え? あ......思えって、イメージしろって、こと?」


私が言うと、2度目のコウちゃんのため息が聞こえた。


「イメージトレーニング。何でもそうだろ」


「あ、うん。そうだね! イメトレ! 大事だよね!!」


私はひとりで変なことを考えていたことが恥ずかしくて、早口で言う。


私、何考えてんの!!

本当に恥ずかしい。


今が暗くてよかったよ。


今はサッカーの練習に集中しなきゃいけないのに!!

私の、バカ!!



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