放課後、ずっと君のそばで。
小さなふたりの夢
「莉子~!! コウくん来てるわよ~!!」
日曜日。
1階のリビングからお母さんの声がして、部屋にいた私は驚いて階段をかけおりた。
短パンにTシャツという、休日の気の抜けたかっこうのままで。
髪だって整えていない。
なんで突然来るのよ~......。
「よお」
玄関から廊下に上がる途中のコウちゃんが、私に挨拶する。
私は手で簡単に髪をときながら、「よ、よお」と小さく返した。
「おじゃまします。おばさん、今日は休みだったんだ」
今度は、リビングから顔だけを出すお母さんに声をかける。
顔だけしか出していないということは、お母さんもきっとコウちゃんに見られたくないかっこうをしているからだ。
お母さんだけずるい。
「今日は夜勤明けよ~。今から少し寝るつもり」
「そうだったんだ。おばさん、仕事ハードだからバテないようにね」
コウちゃんがお母さんの体を気遣う。
すると、お母さんの口元がみるみる緩み出し、嬉しさを隠しきれていなかった。
お母さんも、イケメンに成長したコウちゃんにデレデレなんだ。